カニクリームコロッケから生まれた、カニクリームマカロニグラタン

周りはサクッと、中はとろり。

アツアツで、クリーミーで、寒い日にふと思い出す料理があります。

グラコロ?

……ではありません。

「貝と海老そして蟹」のカニクリームマカロニグラタンです。

この料理には、店の試行錯誤から生まれた物語があります。最初からグラタンとして考えられた料理ではありませんでした。

はじまりは、カニクリームコロッケ

オープン当初に提供していたのは、カニクリームマカロニグラタンではなく、カニクリームコロッケでした。

中はとろとろ。口に入れるとクリームがあふれ出すような仕上がりで、ファンも多かったといいます。

一方で、仕込みには手間がかかり、調理途中の失敗も少なくありませんでした。おいしさを残しながら、店で安定して提供できる形を考える。その試行錯誤から生まれたのが、現在のカニクリームマカロニグラタンです。

パン粉に残る、コロッケの記憶

うちのグラタンにはパン粉をのせて焼いています。

これは、もともとカニクリームコロッケだったことの名残です。

コロッケの衣をそのまま再現するのではなく、パン粉をのせて焼くことで、表面の食感をグラタンの中に残す。料理の形は変わっても、前身となったメニューの記憶が一皿に受け継がれています。

単に「コロッケを作るのが大変だったから別の料理にした」という話ではありません。残したい魅力は何かを考え、店で提供し続けられる料理へ組み直した。その過程を知ると、表面のパン粉にも意味が見えてきます。

かにみそ、チーズ、ペンネを一皿に

カニグラタンには、かにみそ、チーズ、ショートパスタのペンネが使われています。

カニとみそのコクに、溶けたチーズ、そしてペンネの食べ応えを重ねた構成です。カニクリームを味わうだけでなく、温かい一皿として満足感を持たせるための組み合わせになっています。

「失敗しにくくする」ことも料理の進化

料理の改良というと、新しい食材を加えたり、見た目を華やかにしたりすることを想像するかもしれません。

けれど、仕込みや調理の失敗を減らし、目指すおいしさを提供しやすい形に整えることも、店にとって大切な改良です。

カニクリームコロッケからカニクリームマカロニグラタンへの変化は、前の料理を捨てたのではなく、その魅力を別の形で残そうとした結果でした。

コロッケの名残であるパン粉。

カニクリームを受け止めるペンネ。

かにみそとチーズを組み合わせたコク。

料理名だけでは見えにくい一つひとつの要素が、店の試行錯誤につながっています。

ワインと楽しみたいときは

「貝と海老そして蟹」では、約30種類のワインをすべてグラスで提供し、日本ワインにも力を入れています。

カニクリームマカロニグラタンと一緒にワインを楽しみたい場合は、普段の好みを伝えて相談してみてください。当日の銘柄や在庫、料理との具体的な組み合わせは変わる可能性があります。

料理の背景を知り、表面のパン粉や中の構成を意識しながら、グラスワインとの違いを試してみる。そんな楽しみ方もできます。

一皿の向こうにある試行錯誤も味わう

カニクリームマカロニグラタンは、最初から完成形として生まれた料理ではありません。

カニクリームコロッケのおいしさをどう残すか。手間や失敗と向き合いながら、店で提供できる形へどう変えるか。そうして生まれた一皿です。

次にメニューでこの名前を見つけたら、パン粉の食感とともに、その向こうにあるコロッケの記憶にも少し注目してみてください。

店舗情報

  • 店名:貝と海老そして蟹
  • 住所:大阪府大阪市中央区心斎橋筋2丁目7-11 日宝ロイヤルビル1F
  • アクセス:心斎橋駅・各線なんば駅から徒歩約5分、心斎橋筋アーケードから30秒(走れば5秒)
  • 電話:06-6213-3881
  • 12:00〜17:00:1日1組予約限定営業
  • 夜:17:00〜25:00(最終入店22:30)
  • 定休日:不定休
  • 席:全6席のカウンター席
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